基板用シールドケースのプレス加工

トルク工業では、基板に実装するシールドケース・シールドカバーのプレス加工に対応しています。

洋白・銅合金・鉄・ステンレスによる一般的な電磁シールド(EMIシールド)ケースに加え、パーマロイを使用した磁気シールドケースにも対応。薄板の精密プレス技術と、必要に応じた社内の焼きなまし工程により、平面度・寸法精度・シールド性能を確保したシールドケースを、金型の自社設計から量産まで社内一貫で製造します。

シールドケース 基板用

シールドケースとは

シールドケース 基板用

シールドケースとは、基板上の電子回路を金属で覆い、外部からのノイズの侵入や、内部で発生するノイズの放射を防ぐ部品です。「シールドカバー」「シールドキャン」「シールド板金」などとも呼ばれ、無線モジュール、センサー、電源回路、高周波回路など、ノイズの影響を受けやすい・与えやすい回路の周囲に実装されます。

基板用シールドケースには、主に以下の形状があります。

  • 一体型(ワンピース)
    箱形状を一体でプレス成形したタイプ。部品点数が少なく低コスト。
  • 枠+蓋の分離型(ツーピース)
    基板にはんだ付けする枠(フレーム)と、着脱できる蓋(カバー)に分かれたタイプ。実装後の回路調整や修理が可能で、蓋の嵌合にばね性が必要。
  • 表面実装(SMT)対応型
    リフローはんだ付けで基板に実装するタイプ。高い平面度と、はんだ付け性を確保しためっきが求められる。

電磁シールドと磁気シールドの違い

「シールド」と一口に言っても、遮蔽したいノイズの種類によって、必要な材料と原理が異なります。

電磁シールド(EMIシールド)磁気シールド
対象高周波の電磁ノイズ(無線、デジタル回路、スイッチング電源など)低周波の磁気ノイズ(モーター、トランス、地磁気、直流磁場など)
原理導電性の金属で電磁波を反射・吸収する透磁率の高い材料で磁束を吸い込み、内部への侵入を防ぐ
主な材料洋白、りん青銅、銅、鉄(ぶりき・SECC)、ステンレス、アルミパーマロイ(PC・PBなど)、電磁軟鉄、ケイ素鋼板
主な用途無線モジュール、RF回路、電源回路の基板磁気センサー周辺、精密計測機器、医療機器、モーター近傍の基板

一般的なシールドケースは電磁シールドを目的とした導電性金属製ですが、磁気センサーや精密計測回路など低周波の磁場を遮蔽したい場合は、パーマロイなどの高透磁率材料が必要になります。トルク工業では、どちらのシールドケースにも対応しています。

シールドケースのプレス加工に求められること

  • 薄板の精密加工
    板厚0.1〜0.5mm程度の薄板で、通気孔・位置決め・はんだ用の脚など、微細な抜き・曲げ加工が必要です。
  • 平面度・反りの抑制
    基板にはんだ付けする面の平面度が悪いと、はんだ不良やシールド性能の低下につながります。薄板は反りやすいため、加工での応力管理が重要です。
  • 寸法精度と嵌合
    基板のランドや周囲の部品と干渉しない寸法精度と、枠と蓋の分離型では安定した嵌合(ばね性)が求められます。
  • はんだ付け性・めっき
    基板実装のため、はんだ濡れ性の良い材料またはめっき(錫、ニッケルなど)が必要です。
  • シールド性能の確保
    接合部の隙間や、磁気シールドでは加工による材料特性の変化がシールド性能に影響します。
  • 量産での安定供給
    電子機器では大量生産が前提となるため、金型設計段階からコストと安定供給を見据える必要があります。

トルク工業のシールドケースプレス加工の特徴

薄板の精密プレス加工

薄板の微細な抜き・曲げ・絞りに対応し、通気孔や実装脚を一体成形します。端子板など細幅・薄板の加工実績をもとに、シールドケースの形状精度を確保します。

パーマロイの磁気シールドケースに対応

一般的なシールド材料に加え、高透磁率材料であるパーマロイのプレス加工に対応します。磁気センサー周辺や精密機器など、磁気シールドが必要な製品にご利用いただけます。

焼きなまし工程を社内で対応

プレス加工後の残留応力除去による平面度・寸法の安定や、枠・蓋の嵌合部のばね特性の安定に、必要に応じて社内の焼きなまし工程で対応します。

プレス金型の自社設計

シールドケースの形状・板厚・材質に合わせてプレス金型を自社で設計します。薄板の反りや微細形状の精度を確保する工程設計を行います。

多様な材質に対応

洋白・銅・りん青銅などの銅合金、鉄(SPCC・SECC・ぶりき)、ステンレス、アルミ、パーマロイに対応します。

自動車部品で培った量産体制

自動車部品の量産ノウハウをもとに、安定した品質での継続供給に対応します。

パーマロイ製シールドケースと焼きなまし

パーマロイは、ニッケルと鉄を主成分とする高透磁率の軟磁性材料で、磁気シールドに使用されます。ただし、プレス加工による加工ひずみで透磁率が大きく低下するという特性があり、加工したままでは本来の磁気シールド性能が得られません。

そのため、パーマロイ製の磁気シールド部品では、加工後に焼鈍(磁気焼鈍)を行い、加工ひずみを除去して磁気特性を回復させることが重要になります。トルク工業では、パーマロイのプレス加工と焼きなましを組み合わせ、磁気シールド性能を考慮した製品づくりに対応します。磁気焼鈍については協力メーカーで対応可能です。

また、一般的な電磁シールドケースでも、薄板の残留応力による反りや、枠・蓋の嵌合部のばね特性のばらつきが問題になる場合は、低温焼きなましによる応力除去で改善できることがあります。

対応材質

材質主な特徴主な用途
洋白(C7521など)銅・ニッケル・亜鉛の合金。導電性・はんだ付け性・ばね性のバランスが良く、シールドケースの定番材料電磁シールドケース全般
りん青銅・銅導電性が高い。りん青銅はばね性に優れ、蓋の嵌合部に適する電磁シールドケース、分離型の蓋
鉄(SPCC・SECC・ぶりき)安価で、鉄の磁性により低周波側のシールド効果も多少期待できる。めっきが必要コスト重視の電磁シールドケース
ステンレス耐食性が高く強度がある。はんだ付けにはめっき等の対応が必要耐食性が必要な環境
アルミ軽量で導電性が高い。はんだ付けが難しいため、ねじ止めや嵌合固定に軽量化が必要な機器
パーマロイ(PC・PBなど)高透磁率の軟磁性材料。加工後の焼鈍で磁気特性を回復磁気シールドケース、磁気センサー周辺

シールドケースの製造工程

トルク工業では、シールドケースの製造を以下の工程で社内一貫対応しています。

工程内容
① 金型設計製品形状・板厚・材質に合わせてプレス金型を自社設計。薄板の反り・微細形状の精度を考慮した工程設計を行います
② プレス加工抜き・曲げ・絞りなどで、ケース形状・通気孔・実装脚を成形します
③ 焼きなまし(必要な製品のみ)残留応力の除去による平面度・ばね特性の安定や、パーマロイの磁気特性回復のための焼鈍を行います
④ 表面処理(必要な製品のみ)はんだ付け性・耐食性のためのめっき処理を行います
⑤ 検査寸法・平面度・外観などを検査します
⑥ 量産・出荷継続的な量産と安定供給に対応します

シールドケースの製品事例

トルク工業では、以下のようなシールドケース・シールド部品の製造実績があります。

基板用シールドケース(洋白)

無線モジュール・高周波回路向けの表面実装型シールドケースです。

枠+蓋分離型シールドケース

実装後の調整が可能な、枠と蓋に分かれたシールドケースです。

パーマロイ製磁気シールド部品

磁気センサー周辺の磁気シールドに使用するパーマロイ製の部品です。

シールドケースに関するよくあるご相談

磁気センサー周辺の磁気シールドケースを作りたい

パーマロイのプレス加工に対応しています。磁気特性を考慮した加工と焼鈍についてご相談ください。

シールドケースの反りではんだ不良が出る

薄板の残留応力が原因の可能性があります。金型設計・加工条件の見直しや、焼きなましによる応力除去をご提案します。

枠と蓋の嵌合が緩い・きつい

蓋のばね性のばらつきが原因の可能性があります。材質選定・曲げ設計・焼きなましの検討で嵌合の安定化をご提案します。

材質をどう選べばよいか分からない

遮蔽したいノイズの種類(高周波か低周波磁場か)、はんだ付けの有無、コストを確認のうえ、最適な材質をご提案します。

シールドケースを量産できるプレスメーカーを探している

自動車部品で培った量産体制で、継続的な供給に対応します。量産先の変更もご相談ください。

基板用シールドケースのプレス加工はトルク工業へ

トルク工業では、薄板の精密プレス技術と社内の焼きなまし工程により、電磁シールドケースからパーマロイ製の磁気シールドケースまで、金型の自社設計から量産まで社内一貫で製造しています。

シールドケースの新規製作、反り・嵌合などの品質課題、磁気シールド部品の製作、量産先の変更などをご検討の場合は、お気軽にお問い合わせください。

シールドケース 基板用